朝、起きられなくなる病気?
非24時間型の睡眠覚醒リズム障害は、1981年に米国のワイツマンの報告で初めて明らかになった、比較的、歴史が浅い病気で、思春期の子供に多いのが特徴です。一日の周期が24時間ではないため、「非24時間型」と呼ばれています。ごく稀に24時間よりも短い周期の方もいますが、大半は24時間よりも長い周期を刻みます。なかでも多いのが、一日が25時間になってしまうタイプです。 患者さんの生活は、こんな具合です。ある日は、夜12時に眠り、朝7時に起床します。これなら問題はないのですが、次の日は、夜中の1時まで眠れず、朝も8時まで起きられません。さらに次の日は、夜中の2時まで眠れず、朝は9時まで起きられません。こうし
て就寝時間も起床時間も、毎日、1時間ずつ遅れてしまうのです。
もちろん学生であれば学校に遅刻、社会人であれば会社に遅刻してしまいます。社会生活に支障をきたすので、患者さんにとってはつらいものです。 ただし、この病気の本当のつらさは、周囲の理解を得られないことです。「朝、起きられなくて、遅刻しました」と正直に理由を話しても、世間は単なる朝寝坊としか見なしてくれません。学校の先生も会社の上司も「たるんでいるヤツだ」と思うだけです。
しかし、睡眠覚醒リズム障害は病気です。決してたるんでいるわけでも怠けているわけでもありません。骨折してギプスをしていれば、目で見ただけでケガだとわかるため周囲の人はいたわってくれます。ところが目に見えない病気に対しては、世間の風は冷たいので、時に患者さんを精神的に追い詰めてしまうことがあります。是非、無理解を改めていただきたいと思います。
これは病気ですから、根性や気合だけで治そうとしてはいけません。医師の元で正しい治療を受ければ、ほとんどの方が軽快します。是非、自分一人で悩まず、専門の医療機関で受診してください。

